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ニコンのバッテリー EN-EL23 の模倣品(模造品)の見分け方

カメラ

ニコンのバッテリー EN-EL23 の模倣品(ニセモノ)がたまたま見つかったので、純正品とどこが違うのかまとめてみました。

 

純正品と模倣品(ニセモノ)との違い

1 PSEマークの右 純正品は maxell だが模倣品は Nikon になっている

2 バッテリーの表面と裏面 純正品はくぼみがあるが模倣品は平たん

3 大きさやかたちが若干ちがっている

 

1 PSEマークの右側 純正品はmaxell 模倣品はNikon

バッテリー裏側の丸形PSEマークの右側が、純正品はmaxellですが、模倣品はNikonになっています。

(左側がニセモノ)

模倣品だとはっきり見分けることができるのは、この部分くらいです。

 

2 表面・裏面ともに、純正品は台形のくぼみがあるが模倣品は平たんで平べったい

見ただけでは少し分かりにくいのですが、さわってみると純正品には台形のくぼみがあります。(右側がホンモノ)

一方、模倣品はくぼみがなく平坦になっています。

 

ニコンがデザインにくぼみを入れたのは偽造防止を目的としているのかもしれません。

 

3 大きさやかたちが若干ちがう

純正品と模倣品をふたつ並べて見比べただけでは、大きさやかたちの違いは分かりません。カメラ本体にバッテリーを入れた時に、模倣品のバッテリーは、若干ですが、きっちりはまらずに空間に余裕があるため横にずれたりして安定しません。純正品の方は、バッテリー室にしっかりとおさまる感じです。

 

(参考)箱の写真

撮影しているあいだに、どちらが純正品だったかわからなくなってしまいました。。。

 

まとめ

今回、純正品と見比べてはじめて模倣品と気づくことができたのですが、純正品が手元になくて模倣品だけしかなかったら、このバッテリーが模倣品だとはほぼ気づかないでしょう。それくらいよく似せて作られていて、このバッテリーを作った詐欺集団はかなり高度な技術を持っていると感じられます。

ちなみに、模倣品と気づいたのは、カメラのバッテリー室にバッテリーを入れて本体直接充電をしようとした際、充電ランプは点灯するのに充電されない現象がおきたからです。

もしかして模倣品?と思って、たまたま持っていたた純正品と見比べてみて、ニセモノと分かりました。

この模倣品のバッテリーは、模倣品の中でも品質の悪いものだったようで、充電ができずにニセモノだと判明しましたが、充電もちゃんとできるものなら模倣品と分からずにずっと普通に使ってしまっていると思います。

ニコンのホームページにも、模倣品の実例として、純正品と模倣品の写真が比較掲載されていますが、どのバッテリーも純正品と模倣品のふたつを並べて見比べて説明文を読んでやっと違いに気づくレベルなので、模倣品だけを目の前に出されたら100%気づかないです。

 

 

模倣品を作るのに、高い技術力は必要か?

この模倣品はホンモノと見分けがつかないくらいに上手にできてるので、作った集団、技術力高いなあと思ってはみたものの、よく考えれば、いくつものサードパーティー社がバッテリーの互換品をたくさん作って売っているので、バッテリーって技術的にそんなに難しくないのかなとも思ったりするわけです。それも互換バッテリーは純正品と比べてかなり安い価格で販売しているので、設備投資的にもそれほどかからないのかなあと。

いってみれば、互換品のバッテリーを作ってから、サードパーティー社製として堂々と販売するのか、純正品のパッケージを真似して作って模倣品としてバレないように売りさばくのか、の違いですね。

見つかったら捕まるかもしれないのに、サードパーティー社製としてではなくなぜ模倣品として販売するのか、それは模倣品の方がはるかに利益が高いからです。

EN-EL23 の場合、純正品の価格は、約4,000円です。互換品は、バッテリー2個と充電器付きのセットで約1,500円で販売されているので、バッテリー1個あたり600円くらいですかね。純正品のバッテリー1個買う値段で、互換バッテリーが6個以上買えます。

詐欺集団からすると、互換バッテリーとして6個売るより純正品として1個売った方が効率的だし利益も格段にいいのでしょう。模倣品がでまわる原因は、純正品の価格が互換品に比べて高すぎるからなのです。

 

純正品と互換品の性能の違い

純正品が互換品に比べて価格が6倍以上高い分、性能も6倍以上優れているのか、という点も気になります。

純正品の性能が高いことが明らかならば、ニセモノは不良の発生などでこれは模倣品だとすぐに判明するはずですが、実際のところ、純正品の性能が互換品よりも高い(それも6倍以上)かどうかは不明瞭です。互換バッテリーをこれまで何度も使った経験から推察しても、純正品と互換品の性能の違いはほとんど感じられません。

液漏れしないとか熱に強い、衝撃に強いなど性能にもいろいろありますが、ここではシンプルにバッテリーの耐用年数だけを取り上げてみます。互換品の6倍以上する価格に相応する性能だとすると、互換品の寿命が1年なら純正品はその6倍、6年は使えることになります。個人的には、価格の差ほどの性能の良さを純正品には感じられないですね。

なお、「純正品」とは言ってますが、そもそもニコンのバッテリーはNikon製ではなくmaxell製なんですよね。“DSTE”や“ロワジャパン”が作っている互換バッテリーと性能的にはどこが違うんでしょうか。違いを明確に可視化してほしいところです。

ニコンは、純正バッテリーが互換品の6倍以上の性能をもっていることを明確に示すことなく、また純正品なら当然性能はいいに決まっているという大衆心理をうまくつかって、4,000円もの高価格で販売していることこそが、模倣品を生み出してしまっている一因になっている思われます。

 

ニコンは模倣品対策しているのか?

ニコン側の、模倣品をなくす取り組みもカタチだけにみえます。ホームページで、ホンモノとニセモノの違いを示してユーザーに注意喚起しているのも、ニセモノのバッテリーはうちが作ったモノではないから問題が起きてもうちは関係ないよ、と言っているみたいです。

ニコンも被害者ですが、ホンモノだと思って購入したユーザーが一番の被害者です。ユーザーは純正品だと信じて、そして性能が互換品よりも格段にいいと信じて買っているのです。模倣品対策の放置は、純真なニコンユーザーをないがしろにしているのです。

 

模倣品撲滅運動をしよう!

模倣品をなくすには、どんなやり方がいいのか勝手に考えてみました。まず最初に必ずやるべきことは、純正品を購入したらすぐに模倣品ではないか疑ってみることです。ホンモノそっくりの模倣品がたくさん出まわっている状況なので、購入したバッテリーはホンモノだと鵜呑みにすることが一番よくないです。上記に記したニセモノの3つの特徴をチェックしましょう。maxell の表記になっているか、台形のくぼみがあるか、確認しましょう。そこで万一ニセモノだと判明したら、販売者にフィードバックしましょう。販売者も模倣品の疑いがあるフィードバックが届けば、それもたくさん届けば信用問題なので、元売りに確認するはずです。そうやって上流にさかのぼっていくことで、ニセモノ販売の抑止になります。まさに草の根運動です。

ただこの草の根運動で問題なのは、販売者や中間卸業者が詐欺集団のグルだった場合です。ニセモノだと分かっていて販売している場合は、購入者からのフィードバックはそこでかき消されてしまいます。ネット販売ならレビューでニセモノだと書き込んでも、販売者側で簡単に消されてしまいます。

この対策としては、フィードバックする相手を販売者ではなく、メーカーであるニコンに直接おこなうことです。購入者→販売者ではなく、購入者→ニコン→販売者の流れです。ニコンは、自社製品を卸す業者をいくつか持っているはずなので、販売者にどこから仕入れたのかを確認することで、供給元がたどれます。ニコンが販売者に圧力をかけることになり、多少ニコン側は面倒ではあるでしょうが、ニセモノ撲滅のためにはこれくらいはやって欲しいところです。

いっそ、「模倣品撲滅キャンペーン」というかたちにして、例えば半年以内に購入した新品純正バッテリーが模倣品だった場合は、そのニセモノの購入先が記された資料(領収書や納品書など)と一緒にニセモノバッテリーをニコンに送ってもらえれば、新品純正バッテリーと交換するというのはどうでしょうか。ユーザーは当然喜びますしニコンの企業としてのイメージも上がります。新品バッテリーへの交換費用がかかってしまうことが問題なら、定期的におこなっているキャッシュバックキャンペーンの対象商品のひとつをバッテリー撲滅キャンペーンにかえて、その費用も撲滅キャンペーンに移しかえればあらたなコストも発生しません。そもそもこの撲滅キャンペーンで模倣品が出回らなくなれば、その分、純正品の売り上げが増えるわけです。ニコンとしてメリットだらけではないでしょうか。

 

Nikon Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL23

 

とまあ、模倣品のバッテリーが見つかっただけなのですが、いろいろと余計なことまで考えてしまいました。

 

 

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